スタッフより
かねてからのお客様である八王子市のS様から、ちょっと見て欲しいと連絡がありました。
実はS様の家は、木造住宅で工事中でした。内部をのぞいたら、透湿防水シートに水が染み
透っているいる箇所があり、工務店に理由を尋ねたのですがなんとも歯切れが悪い調子
だったので、セカンドオピニオンを兼ねて弊社の連絡へ至ったようです。
一般に、外壁下地に用いる透湿防水シートは、水滴を通さない「撥水
性」を有しているはずです。S様の場合、原因は外壁下地
とサイディングの間に通気層を設けるために打ち付ける「絶胴縁」でした。
絶胴縁には一般的に、厚さ15mm、幅45mmの木材が使われます。そして
胴縁向けとして出荷されている木材には、防腐防蟻処理を行ったものがあり
ます。今回分かったのは、薬剤処理を施した胴縁材と透湿防水シートの
相性の悪さです。調べてみますと、透湿防水シートメーカーの旭・デュポン
・フラッシュスパンプロダクツ(以下、デュポン社東京都千代田区)は、
2011年6月24日付けで、住宅会社各社に対し注意喚起を促す文書を配布
しています。薬剤処理済の胴縁は多量の雨水にさらされると、薬剤
が溶け出し、シートの防水性を低下させるという注意喚起でした。透湿防水シート
協会もリスクがあることを告知しているようです。