スタッフより
西日本で未曽有の水害があった影響か、最近急にお問合せが
増えてきました。
渋谷区のマンションの理事会から依頼があり、改修工事の一環と
して、屋上の防水工事を行うことになりました。防水工事は、
「採用する材料・防水層が要求するすべての施工条件を現場で整え
なければならない」というのが現在の基本的な考え方です。
しかし、建築現場は常に自然環境に対応しながら工事を行わなければ
ならないため、採用する材料・防水層が要求するすべての施工条件
を整えることは非常に難しいです。というより不可能だと感じています。
防水工事は、昔のように指定された仕様書通りに防水層をつくれば
よかった時代と異なり、近年では下地、防水層、納まりおよび仕上げ
まで一括して考えなければならないのです。防水層だけが要求品質を
満たしていても防水工事としての性能は確保しがたいのです。
したがって従来の「採用する材料・防水層が要求するすべての施工
条件を現場で整える」という考え方から、「施工現場が抱える問題を優先して、
採用する材料、防水層、工法および仕上げなどを選ぶ」と考えを改めなければ
確かな防水性能は確保できません。一言でいうと「現場が主役」という
ことです。そう考えると同様に、防水工事には「正しい」
という考え方は無く、「適切」かどうかで判断されると思います。
常に現場の状況に適した方法で対処すべきでしょう。