スタッフより
杉並区のR様は、青梅街道沿いにあるビル(地1階地上6階建て)で、地下
1階を賃貸している店舗のオーナーです。店舗は、倉庫も兼ねており、
置いていた商品が雨漏りで汚損してしまったということでご連絡を
いただきました。汚損してしまった商品は高価なものであるため、
億単位の損害があり、損害賠償金をビルの設計・施工担当のゼネ
コンに要求する予定だそうです。
雨漏りの原因は、都心では地下水位が高くなっているのにもかかわらず、
地下室を施工する際に防水を施していなかったことにあるようです。
都心の水位は、1970年ごろから上昇しはじめ、今では地表から数m
の地域もあるというから驚きです。トラブルとなった地下室は
地下水位が低かった70年代前後に一般化した二重壁による手法で
設計・施工されていました。地下室の外壁から侵入した水がちゃんと
排水されていれば問題ないのですが、雨漏りが多く排水しきれなかった
ために内壁から室内に雨漏りしてしまったようです。専門家によると
地下水の雨漏りトラブルは今後も多発する傾向にあるといいます。
なぜかというと、この二重壁工法が今でも採用されているからです。しかも、
最近では、地下といえども、居住用や事務所用に使われてきているため、
よりトラブルが顕在化しやすくなっています。対策として、防水性の高い
「外防水先やる工法」が推奨されており、今後日本建築学会で標準化
し、普及に努めようという動きがあるそうです。