スタッフより
世田谷区のH様のお宅は、新築からわずか数か月しかたっていない
木造住宅です。しかし、浸水箇所も漏水箇所も見当たらないのに
雨漏りがあるということで、連絡をくださいました。
すでに他社で依頼したそうで、その際、直上の屋根材
(溶融亜鉛メッキ鋼板)や防水シートを張替え、屋根材の継手
部分やくぎ打ち箇所にシーリング材を充填していました。さらに、
西側の屋根に近い外壁の防水シートの張替え、破風板や軒天井板
を取り替えるなど3~4回の修繕を試みていました。それでも、
豪雨のあった翌日、3階ロフトの柱の根元付近に水滴が落ちた
跡が発見されました。弊社では、侵入箇所はあると思われる屋根面
と、外壁面について検査を行いました。屋根面については、鋼板の
各継ぎ手くぎ打ちの箇所についてそれぞれ30-40分かけて散水しました。
外壁面については、破風板と野地板の取り合い部分、幅10cm
ほどの軒天井板と外壁の取り合い箇所など6カ所について
それぞれ40-60分かけて雨漏り検査をしました。その結果、軒天井板の
上に少量ながら浸水が見られました。ただし、この浸水については
漏水とは判断しませんでした。軒天井にたまった水は、外壁の
防水シートよりも下にあります。外壁の防水シートが軒天井板
よりも5-6cm立ち上がっているため、軒天井板の上の水が室内に
侵入しないと判断できたのです。加えて昨今の住宅は、外壁の
防水シートまで水が侵入することを前提にしてできています。
防水シートの外側を水が流れるのは、適切な排出方法です。
J様のお宅についても外壁の防水シートの外側にある軒天井板の
上に雨水が侵入しても、防水シートより内側には入り込まない
ように立ち上がりがあるので、建物の防水対策として適切と
判断しました。