スタッフより
杉並区の雑居ビルの屋上のトラブル事例です。竣工後数年たった後、
強風によりFRP防水層が風圧にて持ち上がり、剥離し飛散しました。ガラス
マットジョイント部分より一定の面積が剥離していることから、徐々に
剥離が進行し、そこが強風にあおられて飛散したものと思われます。
破損した部分は着工時に下塗りまで行い、材料などの置き場として数週間
放置したの後、最後に防水層を施した箇所でした。防水層の剥離要因は、
大体が塗継ぎ、塗り重ねの管理を誤った場合です。今回の場合、FRP防水層が
破損した界面を確認すると、プライマー後の樹脂の下塗り面が下地に残って
いることから、事例の不具合は、施工時に樹脂を下塗りし、長期間放置したことが
原因と考えられます。FRP防水ではプライマー、樹脂、仕上げ塗料を含め、
塗継ぎ、塗り重ね時間に規定があり、そんも管理時間の範囲外で施工すると
防水層間の接着不良を起こすことがあります。特に夏に施工したFRP防水
では、施工時の下地表面温度がかなり高温となるため、塗継ぎ、塗り重ね
時間(オープンタイム)が短くなるため注意が必要です。
バルコニーなど狭い範囲でのFRP防水は、比較的、塗継ぎ、塗り重ね時間が
短く所定の範囲内の時間煮て施工できるため、防水層の剥離による不具合は少ないです。
しかし、ある程度以上の面積になると、次の工程に移る感覚が長くなり、
剥離などの不具合が発生しやすくなります。