杉並区で外壁からの雨漏り　-1-

杉並区のW様から雨漏り調査の依頼がありました。
W様によれば１階窓付近から１年に1～２回雨漏りが発生しているとのこと。
以前雨漏り修理を依頼した工務店が、外壁は修理したので屋根が原因だろう
と言っていたので今回依頼したとのこと。築２０年で木造２階建ての戸建て
住宅で軒の出が少ないタイプのスレート屋根です。外壁は窯業系サイディング
で、１階と２階の間に幕板があり、この位置で外壁の色が異なるツートンカラー
のデザインとなっていました。
雨漏りは隣家と近い南面の外壁で起こっており、１階窓にはシャッターボックスがついていました。真上には２階窓がありました。すでに塗装メンテナンスが
施されており、サイディング目地に著しい劣化は見られませんでした。
まず、W様が気にかけている屋根を確認しました。スレート屋根にひび割れは
確かにありましたが、その部分から雨水が浸入する可能性は低いです。
念のため、小屋裏も確認しましたが浸入している形跡は見られませんでした。
次に修理済みという外壁の散水調査を実施しました。２階窓まわりに散水
したところ１階和室の鴨居からの漏水を確認しました。
雨漏りの痕跡をさがすために、１階窓から屋根までのサイディングを撤去しました。はじめに幕板を剥がしたところ、違和感のある納まりを発見しました。それは幕板の下端でサイディングをカットし、突き合わせていたのです。しかも突き合わせ部分はシーリング処理も施されていませんでした。
突き合わせ部分の下段となるサイディングを外してみると、縦胴縁に雨染みが確認できました。
この建物のサイディングは縦胴縁に金具留めで固定されていましたが、
この箇所だけは変則的な取り付けられ方がされていました。
他の部分のサイディングを撤去して雨染みを確認すると、幕板の下端にある
突き合わせ部分からサイディング裏面に雨水が浸入した痕跡がありました。
浸入した雨水は縦胴縁を留め付けているくぎを伝って透湿防水シートの内側に浸水して室内の雨漏りとなりました。
明日に続きます。

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