スタッフより
渋谷区のM様からから3階で雨漏りがするということでご連絡いただきました。
M様のお宅は鉄筋コンクリート造の3階建てです。
調べてみると、雨漏りのきっかけは柱や梁と壁を分離するために用いる構造スリットにあることが分かりました。
3階の柱と壁の間に設置した構造スリットの真上にあるパラペットの壁にひび割れがありました。仕上げのタイルにもひび割れが発生し、雨水の浸入があることが確認できました。構造スリット部では柱と壁の縁が切れており、変形は生じやすいのです。スリット周辺の壁にひび割れが生じる原因となることが多いのです。室内への雨漏りは、3階でなく2階の床面で生じていました。
パラペットの天端や外装タイルのひび割れから侵入した水がタイルの裏面を通って1つ下の階の床レベルまで伝ってきたことが分かります。室内に水が侵入する直接の原因となったのは、水平方向の構造スリットの位置と躯体目地の位置とがずれていたことです。スリット端部にはタイル下地のモルタルが詰まっているだけで止水性能はほとんど期待できません。スリットは壁を貫通しており、
居室の床と同じレベルにあるので、雨水はスリットを伝って居室内まで浸入したのです。水平方向のスリットのシーリング工事には、他にも施工不良がありました。
今回の雨漏りの原因は以下の2つにあります。
1つは構造スリットの表面を覆うシーリング材が薄すぎて破断して
しまったことです。タイルの裏面まで水が入ると、スリット部分から容易に室内へ雨漏りします。もう1つは、仕上げタイル目地と躯体目地の位置がずれていることです。この場合タイルにひび割れが生じやすくなります。
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