スタッフより
渋谷区のあるマンションの理事会から相談がありました。
アルコーブ(※)に面した部屋に雨漏り被害が集中して起こっているという
ことです。
調べてみますと、原因はアルコーブが湿気だまりになっているのにもかかわらず、
アルコーブに面した壁に断熱材が施されていないことにあるようです。
そこで、風道を確保することで改善をはかりました。
ユニットバスの天井換気扇は、ダクトが曲がっていたので
空気の抵抗が大きく必要な換気量を確保できていなかったのです。
これをまっすぐにして、中間ダクトファンで浴室とトイレの換気を取りました。
そして部屋から廊下への風道を確保するため、欄間グリルを設置しました。
最近のマンションはとてもオシャレなためか空間が複雑になっています。
玄関までのアプローチも工夫が凝らしてあります。共用廊下から各住戸の
玄関までに個別の廊下を設け、吹き抜けを配置するなど凝ったアプローチ
を演出するマンションは都心部ではよく見かけます。しかし、こうした廊下
から玄関までのアルコーブは日が差さないので湿気だまりになりやすいです。
玄関までが袋小路になるので、空気の流れも確保しづらいです。よって
降雨量の多い時期ですと、通常にも増して湿気が取れないのでトラブルが起こりやすくなります。
また冬場は冷気だまりになりやすく、外部空間としては厳しい条件になります。
しかも今回のようにアルコーブに面した部屋に断熱材が施されていないケースが
多いのが悩ましいです。
(※)アルコーブとは、マンションの玄関前や部屋の一角にある、くぼんだスペースのこと
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