杉並区で軒ゼロ住宅の屋根点検

先日杉並区のK様宅で屋根点検を致しました。今回は幸い異常がなかったのですが、軒ゼロ住宅なので、今後も定期的に点検されるとのことでした。
軒ゼロというのは、軒の出がない屋根形状のことで、都市部の狭小地に立つ住宅で多く採用されています。デザインがシンプルなので人気があり、狭小地以外でも増えているようです。
軒ゼロは屋根勾配の先端がそのまま外壁に連続した形状と、軒天井のないことが
特徴です。屋根の施工面積が小さくなり、軒天井の工事を省けるので、工費を削減でき、壁面を敷地境界線へ寄せられる、といった良い面があります。その代償として住宅の壁や窓への雨掛かりが増えるので、雨漏りのリスクが高くなります。
軒先部分は、屋根の防水下地に入り込んだ雨水が集まってくる箇所です。
軒ゼロは雨掛かりから保護されないことで、長期的には軒先の劣化と雨漏りのリスクが増大します。これに対し、軒の出がある屋根は軒先部分の下地材や目隠し、軒天井の劣化に留まります。
軒の出の有無は、省エネ対策として重要な夏季の日射遮蔽と冬季の日射熱取得にも影響します。軒は屋根の端部にある外壁から外に持ち出された部分で、建物を風雨や日射から保護する働きがあります。新築時はデザイン優先に走らず、じっくり検討をしましょう。

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