瓦をコーキングするのは、雨漏り対策として一見有効に思えますが、実は危険な行為です。
コーキングは、一時的に雨漏りを止める効果はありますが、根本的な解決にはならず、むしろ新たな問題を引き起こす可能性があります。
この記事では、瓦をコーキングしてはいけない理由と、雨漏り対策の正しい知識について解説していきます。
□瓦のコーキングがだめな理由
確かに、瓦の隙間をコーキングで埋めてしまえば、一時的に雨漏りは止まります。
しかし、その裏には、思わぬ落とし穴が潜んでいるんです。
1:雨漏りの原因が分からなくなる
瓦は、一見隙間なく並んでいるように見えますが、実は水が抜けるように設計されています。
水が瓦の横から入り、適切に排水される仕組みになっているのです。
ところが、コーキングで隙間を塞いでしまうと、水が逃げ場を失い、どこから水が浸入しているのか分からなくなってしまいます。
結果、雨漏りの原因特定が難しくなり、屋根全体を葺き替えるような大規模な工事に繋がる可能性もあるのです。
2:新たな雨漏りが発生する可能性がある
コーキングで塞いだ箇所以外の場所から、新たな雨漏りが発生する可能性もあります。
これは、コーキングによって水の流れが変化し、今まで雨漏りが発生していなかった場所に水が溜まりやすくなるためです。
コーキングは、一時的な雨漏り対策には有効ですが、根本的な解決にはなりません。
3:余計な手間と費用がかかってしまう
もし、コーキングを剥がして部分補修をする必要が生じた場合、コーキングを丁寧に除去する作業が必要になります。
この作業は、想像以上に手間と時間を要するため、追加で費用が発生する可能性が高いです。
□瓦屋根の雨漏りの応急処置方法
では、瓦をコーキングする代わりに、どのような応急処置方法があるのでしょうか。
1:吸水シートを設置する
吸水シートは、雨水を吸収し、建物内部への浸水を防ぐ効果があります。
雨漏りが発生している箇所に吸水シートを設置することで、雨水が室内に浸入するのを防ぎ、根本的な修理を行うまでの時間を稼ぐことができます。
吸水シートは、ホームセンターなどで手軽に購入できます。
2:防水テープを貼る
防水テープは、強力な粘着力を持つテープで、雨水の浸入を防ぐ効果があります。
雨漏りが発生している箇所に直接防水テープを貼ることで、雨水が屋根の下地に達するのを防ぐことができます。
防水テープは、小さなひび割れや隙間を塞ぐのに最適です。
3:瓦のズレを修正する
雨漏りの原因が、瓦のズレや破損による場合もあります。
瓦のズレを修正したり、破損した瓦を交換したりすることで、雨漏りを止めることができます。
瓦のズレや破損は、専門会社に依頼するのがおすすめです。
□まとめ
瓦をコーキングするのは、一時的に雨漏りを止める効果はありますが、雨漏りの原因特定を難しくしたり、新たな雨漏りを招いたりするなど、多くのデメリットがあります。
雨漏りが発生したら、安易にコーキングで塞ぐのではなく、吸水シートや防水テープなどの安全で効果的な応急処置方法を試してみましょう。
そして、根本的な原因を突き止め、適切な修理を行うことが重要です。