世田谷区で透湿防水シートのしわが原因の雨漏り

世田谷区のI様から雨漏りの連絡がありました。I様のお宅は窯業系
サイディング張りの木造２階建て住宅です。妻壁側の１階にあるサッシ枠
から雨水が室内にあふれ出したようです。調べてみますと、２階のサッシと
サイディングの取り合い部分に施したシーリングが界面剥離しているのを
見つけました。今回のケースでは、通気構法を採用していたので、シーリングの
切れた箇所から雨水が通気層内に浸入しても、防水テープと投資る防水シートが
食い止められるはずでした。それにもかかわらず、雨漏りしてしまった理由が
サイディングを解体して判明しました。
透湿防水シートがサッシまわりの防水テープと接着した部分でしわになり、
水みちができていたのです。これは、ブチル系防水テープの粘着剤に含まれる成分などが不織布単層タイプの透湿防水シートに移行することでシートにしわが発生する「膨潤」という現象です。
透湿防水シートは、大きく「不織布単層タイプ」と「フィルムタイプ」の２種類があります。前者は緻密な不織布による単層構造なのに対して、後者は基材に
多孔性フイルムを張り合わせた複層構造です。
不織布単層タイプにブチル系防水テープを組み合わせる場合は、シート製造者が
指定するものを利用することが必須です。防水テープはブチル系以外にも様々な
種類があるので、フイルムタイプを使う場合も、シート製造者の確認が
必要になります。

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