渋谷区で軒ゼロ住宅の雨漏り　-3-

昨日の続きになります。
今回のケースでは、透湿防水シートを水切りの立ち上がり外側に
被せなおして、サイディング材で仕上げました。
本来あるべく納まりとは、
２次防水となる透湿防水シートの表面を流れ落ちる水が、
水切りから外へ排水できる構造とすることです。
S様に軒ゼロ住宅を選んだ理由を聞いてみると、自ら選んだデザインではなく、
設計者や住宅会社などの作り手の意向だということでした。
ですから、お客さまだけでなく、設計、企画側も軒ゼロ住宅の雨漏りリスクを認識していないことが分かります。
軒の出が十分にある住宅は、人が傘をさしている状態にたとえられます。
傘に少し穴が開いていたら、雨が浸入して体が濡れてしまいます。
実際の住宅の話に置き換えると、軒の出があれば、、屋根と壁の取り合い部に
隙間があっても、雨水の侵入リスクは低くなります。
ところが、軒ゼロ住宅では取り合い部などに隙間があると、容易に雨水が浸入して室内の雨漏りを引き起こします。
雨漏りが軒ゼロ住宅でおこりやすいと知っていたら、
設計段階で違うデザインを選んでいた、とS様はおっしゃいました。
雨漏り修理の終盤で、雨漏りの再発を防止するために、サッシやバルコニー
に雨がかからないようにしてほしいとS様から追加でお願いがありました。
しかし、屋根の軒を新たに設置すると大掛かりな工事となって多額の
費用がかかります。そこで、バルコニーに屋根を設置して
雨掛かりを減らすことにしました。

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