屋根の雨漏りは、住まいの大切な資産である家を傷めてしまう深刻な問題です。
雨漏りが発生してしまうと、住居空間の快適性が損なわれるだけでなく、健康被害や構造上の損傷にも繋がることがあります。
今回は、屋根の雨漏りが発生する原因と、雨漏りが発生した際の応急処置について解説します。
□屋根の雨漏りが発生する原因
屋根の雨漏りは、様々な原因によって発生します。
ここでは、代表的な原因を5つに分類して解説していきます。
1:屋根材のズレや割れ、浮き
瓦屋根では、瓦のズレや割れ、浮きによってできた隙間から雨水が浸入することがあります。
スレート屋根の場合、踏み割れや経年劣化によるスレートの浮きやそりが原因で雨水が浸入することがあります。
金属屋根では、屋根の周辺部(棟部、軒部、ケラバ部)から雨水が浸入しやすいです。
2:谷板金の腐食
複雑な屋根形状の場合、屋根の谷部と呼ばれる部分が存在することがあります。
谷部は雨水が2面の屋根面から流れ込む場所であり、雨量が多くなるため、雨漏りが発生しやすい箇所です。
谷板金は、金属製の受けを設けて雨水を効率的に排水する仕組みですが、経年劣化によって腐食し、孔が開いてしまうと雨漏りが発生してしまいます。
3:ケラバからのオーバーフロー
ケラバは、切妻屋根や片流れ屋根の端部のことで、ケラバの屋根材の下には捨て水切りと呼ばれる排水構造が設けられています。
しかし、捨て水切りの詰まりや破損によって、雨水がオーバーフローし、雨漏りが発生することがあります。
4:棟板金の釘浮き
棟板金は、屋根の頂上部に設置され、雨水が侵入するのを防ぐ役割を担っています。
棟板金の釘が浮いたり、腐食したりすると、隙間から雨水が浸入し、雨漏りが発生することがあります。
5:漆喰の崩れ
瓦屋根の場合、瓦と瓦の隙間を埋めるために漆喰が使われています。
漆喰が経年劣化によって崩れてしまうと、隙間から雨水が浸入し、雨漏りが発生することがあります。
□雨漏りが発生した際の応急処置
雨漏りが発生したら、まずは応急処置を行い、被害を最小限に抑えましょう。
放置すると、床や壁が濡れたままの状態が続き、カビが発生したり、構造体が腐食したりする可能性があります。
1:浸水の防止
漏れている雨水を受け止め、それ以上床などが濡れないようにするのが、応急処置の第一歩です。
バケツ、雑巾、ブルーシートまたは新聞紙を用意して、以下の手順で作業を行いましょう。
・床が濡れている場合は先に拭き取る
・水滴が落ちる部分にブルーシートまたは新聞紙を敷く
・ブルーシートの上に雑巾を入れたバケツを置く
・バケツに水が溜まってきたらこまめに捨てる
2:家電や家具の移動
雨漏りで濡れる可能性のある範囲に電化製品や収納などがある場合は、故障や腐食を防ぐため、安全な場所に移動させましょう。
感電や漏電の危険性があるため、必ずコンセントも抜いておきましょう。
3: 専門の会社への連絡
応急処置を行った後は、速やかに専門の会社に連絡し、原因調査と修理を依頼しましょう。
放置すると、雨漏りが深刻化し、修理費用が高額になる可能性があります。
□まとめ
屋根の雨漏りは、放置すると深刻な問題に発展する可能性があります。
雨漏りの原因を理解し、定期的な点検や適切なメンテナンスを行うことで、雨漏りを防ぎ、快適な住まいを維持することができます。
雨漏りが発生した場合は、応急処置を行い、速やかに専門の会社に連絡して適切な処置を受けましょう。