スタッフより
杉並区の賃貸住宅マンションのオーナー様から
屋上に亀裂が生じている箇所があるので調べて欲しい、と依頼を
うけました。そのマンションは鉄筋コンクリート造で屋上は緑化されています。
屋上緑化や屋上庭園は、真夏の暑い日の表面温度を下げ、また冬場は
室内温度を外部に逃さない働きがあります。また、視覚的にも彩を与え、
癒しの場となります。
でもデメリットもあります。それは主に雨漏りの観点からです。
そのマンションは、築30年超でそろそろ修繕を考えているとの
ことでした。調べてみますと、植栽をしているところと、していないところ
の境の防水層に劣化がみられました。まだ雨漏りはしていないそうですが、
このまま放置いておくと近い将来雨漏りする可能性が大いにあります。
防水方法はアスファルト防水コンクリート押さえです。
植栽している部分としていない部分とでは
温度変化の大小で防水層の膨張と収縮の度合いが異なります。そのため、
境目の部分で亀裂や破断を生じたのでしょう。また、紫外線による劣化
にも差が出てきます。コンクリートの中性化を測定したところ、植栽の
下のコンクリートは全く中性化していなかったのです。
修繕方法として、屋上全面を植栽基盤で多い、その上に通路を設ける、
直射日光が当たらないようにプレキャスト板やデッキプレートで境界面
を保護するなどの方法があります。設計段階で、南面の日当たりが良い
場所に植栽部分との境界ができるような配置を避ける方法もあります。
この事例はマンションですが、戸建てリフォームで
コンテナなどを設置する場合も同じような現象が起こりますので、注意
が必要です。
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