スタッフより
昨日の続きになります。
結露は壁内だけに発生するわけではありません。通気を確保できている床下でも
起こることが多いです。1階の床面積が広い住宅の
中央部付近では、特に空気が滞留しやすいのです。真夏に
水分が床下に入ると、こうした住宅ではかなり高い確率で結露が発生
していました。床下では、結露の水分によって大引きなどの
木部にカビが発生しやすくなります。カビの胞子が床の隙間
から1階の室内へ入る恐れもあります。
床下は人が普段使わないから問題ないと主張する施工者も
居ますが、それは明らかに誤りです。住宅に
カビが発生すると、健康被害を引き起こすこともあります。
そして修理は避けられません。
被害が軽微であっても、石膏ボードの張替え、柱などの木部の
カビの除去、換気扇ダクトの交換など、大掛かりな補修となる
場合が多いです。住民の健康被害の症状がひどくなると、内部仕上げの
全撤去、さらには建て替えになったケースさえあります。
結露やカビの被害で裁判になるケースも増えてきています。
そうした場合、たいていは、施工者は、住まい手に原因があると
主張します。しかし、実際は、何らかの施工不備
が原因であることがほとんどなのです。
近年は温暖化が深刻と言われ、異常気象や寒暖差が大きいうえ、
カビが発生しやすい気象となる傾向は、今後も続くと予想されます。
結露やカビの対策について、設計・施工者にとっては、自社の設計仕様や
施工マニュアルを見直すことが必要でしょう。
小屋裏や床下、壁内などが水蒸気をため込まない構造になっていることが大切です。
結露は、カビを発生させて健康被害をもたらす上、その程度によっては
躯体を腐朽させることにもなりえます。そういった対策を講じる工務店、設計事務所など
が増えることを願ってやみません。
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