スタッフより
杉並区のM様から室内の水滴がついている場所が多く、それが
雨漏りによるものか結露によるものなのか不明で
困っているとの相談をうけました。
雨水の侵入は、「雨漏り」と「浸水」に大きく2分されます。
雨漏りとは、主に野地板の上に屋根材と防水材を施工した際、
雨仕舞の施工の瑕疵によって、屋根材、防水材で雨水を防止
できずに野地板の上に溢れ、野地板の継手から小屋裏の垂木、
桁に接触しながら天井面に落ち、室内にあふれ出した現象です。
今回のケースは調べてみますと雨漏りの現象でしたので、
比較的早期に雨漏りの確認が可能でき、しかるべく処置ができました。
一方、住まい手が気づかないほどのわずかな浸水があり、それが
長期にわたってしまうと建材と、構造躯体が劣化してしまい、
家の耐久性を著しく低下させる原因となります。
住宅を長寿命化するにはこの「雨漏り」と「浸水」
の問題解決が不可避になります。
一般的に日本の住宅寿命は、建て替えをした住宅の平均築年数である30年です。
米国は44年、英国は75年となっています。
ただし、住宅の寿命には多くの要因が影響するため、これらはあくまでも平均値であり、
実際の寿命は異なる場合があります。
日本の木造戸建住宅は、高耐震、高気密、高断熱化が進み、
基礎、壁の通気、構造躯体、サッシ設備などは大きく進化
してきたと思います。しかし、屋根は30年程度の住宅使用期間
を前提として大きな屋根構法の進化までには至っていないのです。
せいぜい10年の防水瑕疵保証の中で、耐風、耐震、
雨漏対策に取り組んだ程度なのです。
しかし、最近空き家が多いことや、リノベーションブームなどもあり
SDGSの取り組みも盛んになったので
日本もようやく住宅の寿命を考える流れになったようです。
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