杉並区でパラペット部の雨漏り修理　-2-

ご住所: 東京都杉並区

ご依頼内容: 雨漏り修理

使用材料

スタッフより

昨日のブログの続きになります。
U様の了解を得て早速手摺と笠木の交換を行いました。
まず手摺を撤去し、笠木のカバーを外したところ、固定金具の
1つにたくさんのさびが見つかりました。この金具だけ水に接する時間が長かった
ことがわかります。固定金具のさびがみつかったのは、散水試験で
浸水を確認できたパラペットのコーナー部だけで、他の場所の
固定金具にさびはありませんでした。
コーナー部の固定金具だけさびが発生した原因を考察してみると、
コーナー部からALC版１枚分離れたところに大きな段差を発見しました。
この段差はALC版の天端の高さがそろっていないことに起因するものです。
この段差を解消するため、コーナー部の固定金具の下にスペーサーを挿入し、
高さを調整していました。このためビス頭が少し飛び出した形に
なっていたのです。この状態で手摺が動くと飛び出したビスの動きも
不安定になり手摺のパッキンの止水性が低下します。
これが原因でコーナー部の固定金具に雨水が到達したと考えられます。
固定金具の下には塩化ビニール製のシート防水が施工されていました。
たとえ固定金具まで浸水しても、シート防水が機能を発揮している限りは
室内での雨漏りは起こらないはずですが、シート防水をめくってみると、
パラペットのコーナー部から約10ｃｍ離れたＡＬＣ版の
継ぎ目部分に問題はありました。固定金具を留め付けるビスがちょうど
ＡＬＣ版の継ぎ目に留めてありました。もともと継ぎ目にはモルタルを
充填していましたが、その量が少なく最初から隙間が開いていたのです。
ビスはちょうどそのモルタルの隙間に突き刺さっていました。
手摺のコーナー部分の根元から浸入した雨水は、固定金具のビスを
伝ってＡＬＣ版板の継ぎ目に浸入し外壁の内部を通過して２階天井に
雨漏りを引き起こしたのです。
まずＡＬＣ版の継ぎ目にシーリング材を充填し、パラペットの天端も含め、
屋上にウレタン防水を施工しました。笠木と手摺は分離して設置することにしました。
笠木より数十センチ内側に新しい手摺を設けて完了となりました。