スタッフより
世田谷区のあるマンションの理事会からの依頼で、屋上の点検をしました。
まだ、室内への漏水は確認できないけれども、パラペット周りにふくらみが見られ、
パラペット外壁に雨水がしみ出しているということでした。
このマンションは築4年でしたが、調べてみますと防水層端末に使用したゴム
アスファルト系シーリング材(アスファルトコーキング)が劣化して破断していました。
シーリング材が岩のように固くなっていました。
防水層も竣工後8-9年経過した建物と同じような状態でした。
対策としては、シーリングを撤去して、合成樹脂と合成ゴムで改質した
改質ゴムアスファルト系シーリングを打ち直しました。
ゴムアスファルト系シーリング材は耐用年数が短く劣化しやすいので使用
するのはオススメしません。酷い場合は、竣工後1-2年で劣化が見られる
こともあるんです。また、防水層端末にアルミ水切り金物がない場合
(アスファルトルーフィングに直接シーリングを打つ場合)、ゴム
アスファルト系以外のシーリング材は、剥離しやすいので使用を避けた
方が良いです。短期間で防水層が劣化するケースに、「躯体の養生が
十分でない」とか、「防水施工時に躯体表面に結露が生じていた」
ということがあります。夕方、気温が下がってくる時間に、目に見えない
ほどの細かい結露が躯体に生じている場合があるので注意が必要です。