スタッフより
杉並区のC様の所有する事務所ビルでのことです。その事務所ビルは、
築25年程度で鉄筋コンクリート造です。10階建てで一部が9階建てになっています。
ずいぶん前から9階の天井に雨漏りがみられ、もう漏水歴は10年以上になるのだとか。
何度か改修を試みたのですが、改善されず、天井が黒ずんでいます。
そこで、思い切って塗膜防水による改修工事の行ったのですが、状況はかえって悪くなったのだそう。
防水方法はアスファルト防水コンクリート押さえです。
よくよく調べてみると、10階タイル仕上げの外壁の目地やクラックからしみ込んだ雨水が、
防水層の劣化していた部分に侵入していました。
改修工事では、押さえコンクリートの上から外壁の立ち上がり部分まで塗膜防水を施していました。
壁面タイルの上にも防水材を塗布してありましたが、雨水の侵入は防げなかったようです。
このため、今までは立ち上がり部分から排出されていた雨水が、防水層と躯体の間のモルタル
部分にたまり、漏水がひどくなったと思われます。立ち上がりの仕上げをはつり落としたところ、
モルタル部分から雨水が染み出てきました。
そこで、立ち上がりの防水層、タイル、タイル下地をすべて撤去して、再度塗膜防水を施し、
端末をシーリングで処理しました。すると、階下への漏水は止まりました。
モルタル、タイルしあげには 目地やクラックなどから水が入りやすいので、
設計士さんは、仕上げ材の裏に水が走ることを想定して設計を行っていただきたいですね。