瓦屋根とは
瓦は日本をはじめとする多くの地域で古くから使用されてきた主に粘土を使用した屋根材です。瓦は耐久性があり、屋根の保護や断熱効果、雨水の排水などの機能を果たすことができます。また、瓦は風通しを良くし、地震や台風などの自然災害に対しても強い耐久性を持っています。しかし、経年劣化による不備から屋根修理も視野に入れる必要があります。
主に瓦は「陶器瓦(粘土瓦)」、「セメント瓦」、「樹脂セメント瓦」、などがあり、派生して出来た瓦など種類が多く存在します。 それぞれメリット・デメリットについて説明いたします。
陶器瓦(粘土瓦)
屋根に使われる機会の多い陶器瓦は耐久性が高く、屋根材のなかでは最も長くつかえる屋根材として評価されています。 釉薬を塗ることで瓦にツヤを与えるだけでなく、色など種類が多いことも陶器瓦の特徴です。
- 耐用年数が長い(40年~100年)
- メンテナンス頻度が少ない
- 耐水性が高い
- 色褪せにくい
- 台風や地震で部分的な「ズレ」や「めくれ」など発生しやすい
いぶし瓦
寺社の屋根などに使われることが多く、古来伝統のある瓦です。 燻されているときにできる瓦炭素膜は単に美しい色をつけるだけでなく、雨や風から瓦を守る効果があります。
- 一枚一枚風合いの違い高級感がある
- 耐水性が高い
- 価格が高い
- 経年劣化で炭素幕が剥がれるため葺き替えが必要
素焼瓦
独特の赤みから「赤瓦」と呼ばれます。洋風建築と相性が良く、南欧の建物に合わせてテラコッタ瓦やスパニッシュ瓦と呼ばれることもあります。 炭素や薬剤が瓦に付着しないので、軽量で耐久性に優れるます。
- 軽量で耐震性が高い
- 価格が安い
- 色合いが粘土に依存する
セメント瓦
見た目を自由に成型できるため、陶器瓦と区別がつきにくく似ています。 しかし、デメリットが大きく、現在では販売されていません。 種類としてコンクリート瓦、モニエル瓦(乾式洋瓦)などがあります。
- 陶器瓦と比べて初期費用が安い
- 防水性が高い
- 年数により色褪せが発生する
- 耐用年数が日本瓦の半分以下
- 古い物にはアスベストが含有されている
樹脂セメント瓦
一般名称は樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦で樹脂繊維セメント瓦と呼ばれることもあります。 ケイミュー株式会社が取り扱うルーガという商品が主流です。
- 耐震性が高い(他の瓦と比べ重量が半分)
- 割れにくく丈夫
- デザイン性
- 色褪せにくい
- 工事費が高い
- 工事期間が長い
形による違い(J型、F型、S型)
J型
J型はJAPANから頭文字を取って、J型と呼ばれています。 昔ながらの瓦で、日本の気候風土に適し古い家屋の屋根でよく見られる形です。
F型
F型は凹凸のない瓦で、和風・洋風住宅にも使われています。 Flatの頭文字を取ってF型になったという説と、フランス瓦を参考にしたのでF型になったという説があります。
S型
S型はヨーロッパの伝統的なスパニッシュ瓦を模した洋瓦です。SpanishのSから名前が付きました。 日本の風土や住宅のデザインに合わせ改良したものです。凹凸がある屋根で、洋風住宅に使われることが多いです。
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