スタッフより
昨日の続きになります。
ALCパネルの外壁面に石材調仕上げ塗材を施工することは大きな
問題があります。それは石材調仕上げ塗材の厚い塗膜によって、ALCパネルの
目地が完全に隠れてしまうからです。 ALCパネルの目地のシーリング材の
破断や剥離は構造上雨漏りに直結するため、目地のシーリング材は
定期的に更新する必要があります。しかし、石材調仕上げ塗材の厚い塗膜
によって目地シーリング部分が完全に隠れてしまっているので、劣化
状況を確認することができなくなるのです。建物の形状やALCパネルの
寸法を基に、おおよその目地の位置を予測することはできますが、
正確の目地の位置は分かりません。既存のシーリングを撤去する際に
用いるカッターなども厚い骨材の層に阻まれてなかなかシーリングまで届きません。
もしシーリング材まで届いたとしても、石のようになっている表面ごと
切断しなければなりません。こういう工事を行う業者の多くは、
塗装前にシーリング材の更新を行いません。劣化したシーリングの上から
塗装するのです。石材調の塗膜は、完全な塗膜を形成するわけでなく、
砂利が重なり合ったような組成なので、雨水は浸透します。つまり石材調
仕上げ塗材の厚い塗膜によって隠れた下地のシーリングが破断すれば、
雨漏りになってしまうのです。
ステンレスなど半永久的にメンテナンスフリーの建材は存在しますが、
トラブルが起こるのは、その建材そのものではなく、多くは建材同士の接合部、
いわゆる「取り合い」で起こります。つまり、建築物が異種の建材の
集合体である以上、メンテンナンスフリーになることはあり得ないのです。
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