スタッフより
昨日の続きになります。
屋根を長持ちさせる工法はまだほかにもあります。それは、
野地板にたまる湿気を排出する通気機能を備えた金属立平ふき材
を採用することです。それはガルバリウム鋼板(溶融アルミ亜鉛めっき鋼板)
製です。
金属立平ふき材に通気層を備えるメリットは、
野地板の劣化防止のほかにもあります。
金属立平ふき材はルーフィングに密着するので、葺き材裏面が結露する
場合があります。さらに雨水を吸い上げる毛細管現象での軒先
が劣化する場合もあり、そのリスクを軽減することができます。
通気層は板金にリブを設けて形成します。
大工が上に乗っても通気層がつぶれない強度を確保するために
設計上5mmの厚さは必要です。
厚さ5mmの通気効果を確認する実験で、施工中に濡れた想定で
野地板に水を含浸させたうえで部材をくみ上げた試験を試験体で、
野地板の含水率を測定する検証を実施したそうです。
その結果、野地板の含水率は1~2か月で、20%まで低下したそうです。
同じ条件で検査した一般的な立平ふき屋根の試験体では、野地板の
含水率は、8か月を経過しても50~70%もありました。
金属立平ふき材は野地板上で、湿気を効率よく逃がす軒先・棟
換気各部材を、透湿ルーフィングを組み合わせて施工します。
この金属立平ふき材を採用しても、天井断熱の場合は、小屋裏換気を、
屋根断熱の場合は屋根通気層を設ける必要があります。
一般的な合板の野地板は透湿抵抗が高いので、金属立平ふき材の
通気層では室内の湿気を排出できないのです。
明日に続きます。