スタッフより
杉並区の工務店の知り合いから新情報を得ました。
一般的には野地板に屋根ふき材を直に固定するのですが、
その工法ですと、くぎ穴から侵入した雨水が直接野地板に
達し、老朽化が早いという指摘が以前からありました。
その野地板の含水リスクを抑える方法というのがあるらしい
のです。それは「通気下地工法」といいます。
屋根材関連メーカーからいくつか出ているようです。
例えば2019年に販売された「ブレスルーフシステム」は
その一つです。
この工法は、透湿抵抗が低いMDF(中密度繊維板)の野地板と
透湿ルーフィングを張った野地板上面に、厚さ1cmの通気層を
設け、湿気を逃す仕組みです。通気層は断面が波型のポリプロピレン
板で形成されています。波型断面は、屋根の流れ方向に設置することで
通気を確保し、耐圧強度も満たす形状だそうです。
屋根断熱を採用する際に必要な屋根通気層は、垂木間に設ける例
などが一般的で、施工に手間がかかります。「ブレスルーフシステム」は
はこれを省略できるのです。
また屋根通気層を2重の野地板で形成する2重野地工法に比べますと、
例えば84㎡の切妻屋根の場合、3万円強のコストダウンができるそうです。
MDFは、合板より水を吸収しにくい性質を備えているので、耐劣化性能も
期待できます。野地板の乾燥速度を比べた実験では、MDF野地板が
乾燥まで、1か月程度かかり、その一方で従来工法の合板野地板では7か月程度かかったそうです。
また、「ブレスルーフシステム」を構成する石粒付き鋼板屋根ふき材は、
30年の製品保証付きで、海外の実績では塗装をし直すこともなく、
50年以上の耐久性を保っているそうです。