スタッフより
本年一番印象に残ったのは杉並区の数か所で行ったで屋根断熱と天井断熱の
取り組みです。
まず小屋裏の断熱方法は大きく「屋根断熱」と「天井断熱」に分けられます。
2つの違いは、断熱材の施工位置、小屋裏の熱的環境、屋内の水蒸気を
外部へ排出する仕組みにあります。
屋根断熱は、屋根の勾配に沿って断熱材を施工します。小屋裏が熱的環境の
内部になるので、広ければ屋内の収納スペースに利用できます。
しかしデメリットとしては、冷暖房負荷が増します。
屋内の水蒸気は通気層で外部へ排出します。通気層は空気を細かく
区切る必要があり、通気部材や給排気口を設けて通気経路を
形成します。これらの設計・施工は大変難しく、手間と費用の掛かる点が
天井断熱と比べた場合の一番の欠点になります。
天井断熱では、小屋裏に断熱材を水平に施工します。小屋裏は熱的環境の
外部になるので、屋根断熱よりも冷暖房負荷を抑えることができます。
屋内への水蒸気は小屋裏換気で外部へ排出します。
屋根断熱の通気層のように空間を細かく区切る必要がないので、
設計・施工は比較的容易です。最近は意匠的に緩勾配の屋根が好まれる
傾向にあり、小屋裏が狭くて活用しにくいことから、天井断熱が増えて
います。
明日に続きます。
来年もよろしくお願いいたします。