スタッフより
昨日の続きになります。
まず、手摺と笠木の交換工事を始めました。
まず手摺を撤去し、笠木のカバーを外したところ、固定金具
の1つに大量のさびが見つかりました。どうやらこの金具だけ
水に接する時間が長かったようです。
固定金具のさびが見つかったのは、散水試験で浸水を確認できた
パラペットのコーナー部だけです。ほかの場所の固定金具は
さびてはいませんでした。
パラペットの天端を観察すると、コーナー部からALC版1枚分離れたところに
大きな段差が見つかりました。ALC版の高さがそろっていなかったのです。
この段差を解消するためコーナー部の金属金具の下にスペーサーを
挿入して高さを調整してあることが分かりました。
このためビス頭が少し飛び出した形になっていたのです。
この状態で手摺が動くと飛び出したビスの動きも大きくなり、
手摺のパッキンの止水性が低下します。これが原因でコーナー部の
固定金具に雨水が達し、コーナー部の固定金具だけさびていたのです。
固定金具の下には塩化ビニール製のシートが施工されていました。
たとえ、固定金具まで浸水しても、シート防水が機能をはたして
いる限り、室内での雨漏りは起こらないはずです。
シートのどの部分が突破されたのか確認するためにシート防水を
めくったとき、その部分が確認できました。
それは、パラペットのコーナー部から約10cm離れたALC版の継ぎ目です。
固定金具を留めつけるビスが、ちょうどALC版の継ぎ目に留めてありました。
もともと継ぎ目にはモルタルが充填されていましたが、その量が少なく
最初から隙間が開いていたのです。ビスはその隙間に突き刺さっていました。
つまり、手摺のコーナー部の根元から侵入した雨水は、固定金具の
ビスを伝ってALC版の継ぎ目に侵入したのです。外壁の内部を通過して
2階の天井に達したことが分かりました。
改修工事にあたっては、まずALC板の継ぎ目にシーリング材を充填しました。
パラペットの天端も含め、屋上にウレタン防水を施工しました。笠木と手摺は
分離して設置しました。笠木より数十センチ内側に新しい手摺を取り付け
ました。