スタッフより
港区のF様は、築3年の軽量鉄骨造ユニット住宅にお住まいです。
最近築浅物件での雨漏りが多いことに気づかされています。
F様の場合は、1階と2階の天井部分に雨漏りが見られるとのことでした。
さらに床下への漏水もありました。天井の雨漏りと床下への漏水は、
侵入箇所が違うことが予想されました。調べてみると、妻壁のガラリ
(外部に対して目隠しをしながら換気ができるように、
ドアや窓などにもうけた通気口のこと)
上部のは破風金物との取り合い部分と、ガラリ面台の隅の2か所から
壁面への水の侵入が確認されました。破風金物部分から入った雨水は、
鉄骨柱・梁を伝わって1階床下へ落ちていきます。
柱を伝って2階の居室の床にも漏水する可能性があることが分かりました。
ガラリ面台から侵入した水については壁パネルを伝って、2階アクセントカバー部分の
水切りから外部に出ていく構造になっているため、大量に雨水が流れ込まない限り、
室内に漏水することはありません。漏水の直接の原因は、シーリング
の施工不良です。
しかし、妻壁側の軒の出幅がほとんどないデザインであったことも
大きな要因の一つであることは間違いありません。壁面に雨がたたきつけられるような強風時
には、ガラリ上部にも雨が当たり、浸水します。一般的な住宅工事
では、専門会社が防水工事をするわけではないので、シーリングの
施工不良は起こりやすいです。F様のケースでは、シーリングを充填
し直すだけにとどめました。こういうケースを踏まえて、メーカー
では、ユニットの仕様を庇の出幅を200mmから300mmに伸ばした
ようです。