スタッフより
昨日の続きになります。
R様のお宅の小屋裏は、軒先換気口に入った空気が通気層につながる
構造になっています。換気口が軒先にあるだけなので、水蒸気が
通気層と棟にたまりやすいのが欠点です。北面の野路板は、南面の
野地板が放出した水蒸気を吸収し、より多くの水蒸気を抱えていると
推定されました。
結露による湿気が特に著しかったのは、北面の通気層から棟にかけてでした。
この部分の含水率は40%をこえていました。
野地板は室内側だけでなくルーフィング側も濡れており、くぎが
さびていました。しかし南面は全体的によく乾いていました。
通気層と棟に結露が生じていたのは、軒先換気だけで通気している
状態になり、水蒸気が通気層と棟にたまったからです。
北面に結露が集中している理由は、日射をうけて南面の野地板が
放出した水蒸気を北面の野地板が吸収して、乾かない状態が続いた
ためだと思われます。
今回の対策として、通気層とつながっている屋根断熱の棟頂部に
棟換気を設置するよう提案をしました。結露していた既存の野地板は
くぎ保持力が残っていたので、そのまま使用しました。
改修費用は約30万円で抑えられ、結露も解消しました。
R様は、初めに依頼した業者で300万円払ってしまわなくてつくづく良かった
と言われました。