スタッフより
杉並区のR様は、築20年の木造住宅にお住まいです。
天井に湿気があることがあり、雨漏りを疑ったので
ある業者に雨漏り修理の依頼をしました。
小屋裏で結露が発生しているので、瓦を金属屋根に葺き替えた方が良い、
ということで、改修費用400万円のところ、100万円値引きすると言われました。
R様はいきなり大きな金額を提示されたことに納得いかず、弊社に依頼してきました。
調べてみると、小屋裏の野地板が広範囲に著しく濡れ、軒裏にシミが発生
していました。1階の台所が吹き抜けで2階につながっているうえに、断熱材
と防湿シートの所々に欠損が生じていました。
こうした状況から、小屋裏で結露が発生していることは間違いではありませんが、
発生源は室内で発生した水蒸気だと判断できました。
この住宅の小屋裏が複雑な断熱仕様になっていて、換気経路がつながっていないことも
判明しました。小屋裏の軒先周辺は天井断熱、吹き抜け部分は勾配に沿って
屋根断熱、棟の頂部は天井断熱としていたのです。
換気口として軒先と妻側に有孔板を設けていました。
しかし妻換気は軒先換気や屋根断熱の通気層とつながらない場所に
設置されていました。妻換気は住宅金融支援機構の木造住宅工事仕様書が
天井断熱用に示している換気面積の規定を満たしていました。しかし、
工事仕様書の開口面積を満たすための飾りにすぎなかったのです。
明日に続きます。