スタッフより
世田谷区の某工務店から雨漏りの調査の依頼がありました。
依頼された現場は新築工事で
屋根断熱を覆う防湿・気密シートが濡れていたので雨漏りを疑ったそうです。
断熱材内部を調べると湿度が86%もありました。
この原因は3つあると推定しました。
1つは屋根断熱に通気層がないこと、2つ目は袋入りグラスウールと
付加断熱のフェノールフォームの施工が雑で欠損が生じていること、
3つ目は雨天が続く現場に建材を置いていたことです。
おそらく、現場で湿気を吸収した建材が日射を受けて水蒸気を放出し、
通気層が無いので水蒸気が断熱:気密層内にたまり、断熱欠損した
箇所が夜間に冷えて結露したのだと思われました。
この推定が正しいか検証するため、現場の結露計算を行ったところ、
建材近くの湿度を80%、断熱欠損している状態を断熱材がないと
それぞれ設定して計算したところ、防湿・気密シート部分の湿度が100%
になりました。これで結露が生じていることがはっきり分かりました。
初期湿度が高くても結露を防ぐ方法として、通気層を確保し、
断熱材をフェノールフォームに改め、防湿・気密シートをなくす
案を提示しました。工務店はこの方法を採用し、それにより結露
を回避できるようになりました。