スタッフより
昨日の続きです。
W様には調べて分かったことを踏まえて、今後結露が発生しづらい
家にするための以下の方法をお伝えしました。
(1)屋根断熱を天井断熱に変更する
(2)4つの隅棟(※)に換気設備を取り付けて排気量を増やす
(3)鼻隠しに給気部材を新設して給気量を増やす
今回のケース以外でも、天井断熱ではない、屋根断熱を採用する例が
増えている印象です。特にグラスウールによる屋根断熱では、
屋根に袋入りの断熱材をタッカーで留めるだけの施工が多いです。
梁や垂木が交錯し、複雑な形状の場所に張り込む際は、断熱材同士の
間に隙間が生まれやすいため気密性を保つのはかなり難しく
成功例はほとんど見られないです。
さらに構造上、通気の確保が難しい寄棟屋根という条件が重なれば
屋根換気はますます困難になります。
見えない小屋裏でじわじわと進行する結露は体に例えると「癌」の
ようなものです。最終段階で野地板が腐ります。屋根材を留めるくぎが
利かなくなって瓦がいきなり落ちたり飛んだりすることで気づかされる
こともあり大変注意が必要です。
コストの問題もありますが、屋根断熱ではなく、天井断熱を選択すれば
リスクはぐっと減ります。
(※)屋根の勾配部分が出会うことになる、四隅にできる山形の部分