スタッフより
昨日の続きになります。
改修では、はじめに天窓周辺の瓦を撤去しました。次に周辺の水切りと
天窓本体を撤去しました。天窓撤去で生じる開口部は、木下地で補強した上に
野地板設置。十分ルーフィングが重なるように改質アスファルトルーフィングを
設置し、瓦桟木を既存の横の桟木に合わせて留め付けました。その後新規の瓦を
全数くぎ留めして屋根の平部を復旧しました。
ガイドライン工法による棟の葺き直しの手順は、まず銅線をカットして、冠瓦を
撤去します。続いて葺き土とのし瓦を取り除きます。その後上端の瓦をずらしながら
棟補強金物を垂木や野地板に約900mmピッチで留め付けます。
この棟補強金物に棟芯材を設置します。
現在では葺き土としっくいの代替品として耐水性のある「なんばんしっくい」を用いて
棟芯材と瓦の隙間を埋める仕様が一般的です。固まると一体となる材料なので
部分的にそがれることがなく、長期間風雨による浸水を防ぐことができます。
冠瓦は、棟芯材にパッキン付きねじで留め付けます。パッキンが経年劣化して、ねじからの伝い
水で棟芯材が劣化することを防ぐために、あらかじめ棟芯材の表面に透湿ルーフィング
を設置しておくと安心です。これですべての冠瓦を留め付けて完成になります。
この仕様はガイドライン工法の「冠瓦伏せ棟」と呼ばれます。改善前の「のし瓦積み棟」
に対して大幅に軽量化されています。
雨漏りや台風被害などで部分補修する際に、その部位をガイドライン工法で復旧
することが、次の被害を軽減することにつながります。被害が発生した施工のままで
復旧すると再び雨漏りや台風の際に同じことが繰り返される恐れが大きいです。
そのような負のスパイラルを避けるためガイドライン工法での復旧を
おすすめします。