スタッフより
渋谷区のG様から雨漏りの連絡をいただきました。雨漏りの箇所はバルコニーだそうです。
調べてみますと、バルコニー床面において、FRP防水層に浮きが生じていました。
下地の状態を確認したところ、下地モルタルとプライマー層がかい離している
状況でした。原因は、下地モルタル表面のレスタンスによってプライマーの
含浸が不足したか、あるいは下地モルタル中の水分過多により、プライマーの
浸透が不足したことが要因と思われます。下地となるモルタルは、打設時
表面に金ゴテ押さえを施すとモルタル内の微粒子や灰汁が上昇し、レイタンス(※)
と呼ばれる層を形成します。この層は比較的緻密で、プライマーがその部分に
塗布された場合、浸透を阻害し、接着不足となることがあるのです。
また、モルタル内部の含水率が高い場合にも、同様にプライマーの
浸透が阻害されるため、注意が必要です。
今回のケースの場合、以下のような措置が必要です。
コンクリート下地やモルタル下地などは、打設後にレイタンスが発生するため、
ディスクサンダーなどを用いてこれを除去することが必要になります。
下地に脆弱部分がある場合は、その部分を除去し、接着性能の良い
補修材に変えて不陸調整をします。また、水分過多による接着不良を
防ぐためにも、下地はよく乾燥するよう、確実に管理することが
重要です。
(※)生コンクリート(フレッシュコンクリート)内に含まれるセメントの微粒子
や骨材の微粒子が、コンクリート表面に形成する多孔質で脆弱な層