スタッフより
世田谷区のT様から、雨漏りの連絡がありました。T様は鉄筋コンクリート造の
築16年のアパートのオーナーです。最上階に住む住人から雨漏りのクレームが
入ったとのことです。
早速現調に行き、屋上へのぼってみると、銅板葺き屋根の雨水がアスファルト防水面
に流れ込む設計になっていました。それでアスファルト防水面の下の
部屋の住人のお宅に雨漏りが生じたようです。
原因はアスファルト防水層が劣化し、ひび割れやふくれを生じたことに
ありました。防水層を撤去するのが望ましいのですが、防水層の端末が
銅板葺きの屋根の下まで重なる納まりになっているため、銅板も撤去
しなければなりません。銅板は屋根の流れ方向に葺いているので、
すべて撤去することになってしまい、それでは予算がかかりすぎて
困るということでした。
そこで、既存パラペット笠木と台木を撤去した後、既存防水層の破損部やふくれを
補修し、アスファルト防水層を2層増し張りをしてトップコートを塗布、
屋根は話の防水層端部をシーリングとアルミ押さえ金物で納めて立ち上がりに
アルミ押さえを取り付ける、そして笠木と台木を取り付ける、
という方法を提案させていただきました。銅板の下の立ち上がりは5cm
程度しかなく、押さえモルタルのため強度も十分でありません。
銅板の耐用年数はアスファルトルーフィングに比べて長いので、これらのことを
今後設計者は活かして欲しいです。