杉並区でケラバ部分の雨漏り修理

杉並区のY様から雨漏り修理の依頼がありました。
雨天でない時でも屋根のケラバから水滴が落ちるというのです。
こういう場合はたいてい野地板の含水に起因するものが多いです。

野地板の含水というのは、必ずしも住まい手がすぐ気づくものではありません。
それは、大雨がなくても徐々に水が侵入して後になってそのトラブルに気づくことが多いからです。
放っておけば柱や壁など構造部まで腐朽させて耐震
性を低下させる恐れがあります。Y様の場合は、化粧スレートの
ケラバ部分が浸水した事例です。ケラバ部の捨て水切り上で、土、埃が化粧スレート
の尻部に詰まっており、雨水が水切りからオーバーフローしたのです。その水
が、釘穴を通して徐々に野地板に染み込んでいくのです。実際、化粧スレート、
アスファルトルーフィングを剥がしてみると、野地板に浸水した跡がみられました。
かなり屋根の中央側まで、跡が繋がっていることが確認できました。
登り淀(※）も劣化していました。化粧スレート下のアスファルトルーフィングが波打ったように
膨れていたのですが、これは、屋根材を施工する前の熱、紫外線による劣化
と思われます。膨れている所の棟側には、あふれた水がたまります。釘があると
浸水しやすくなるのです。釘穴よりも棟側にも雨水浸水跡があり、毛細管現象に
よる浸水と思われました。そして、平らな部分の野地板にも浸水が見られました。
大雨が降ると住み手は意識するのですが、わずかな雨、湿気が徐々に浸透していくと
このように湿った野地板から屋根層に継続的に水分が供給されることになるため、
様々な部分にダメージが起こるのです。
(※）ケラバ側に取り付けする淀のこと
軒先の広小舞の上に取り付け、軒瓦をより前方にせり出したり、
破風や垂木の風化を抑える役目をしています。