スタッフより
先日、世田谷区にある賃貸マンションのオーナー様
から屋上に亀裂が生じている部分があるので調べて欲しい、と依頼を
うけました。その賃貸マンションは、築30年超でそろそろ修繕を考えているとの
ことでした。
そのマンションには、屋上にちょっとした緑地がありました。
コロナ禍になってから屋上緑化や屋上庭園は、さらに人気が高まっています。
でも気を付けなければいけない点もあります。
調べてみますと、植栽をしているところと、していないところ
の境の防水層に劣化がみられました。まだ雨漏りはしていないそうですが、
いつ雨漏りがおこってもおかしくない状態でした。
防水方法はアスファルト防水コンクリート押さえです。植栽している部分としていない部分とでは
温度変化の大小で防水層の膨張と収縮の度合いが異なります。そのため、
境目の部分で亀裂や破断を生じたのでしょう。
その他、紫外線による劣化にも差が出ていました。
コンクリートの中性化を測定したところ、植栽の
下のコンクリートは全く中性化していなかったのです。
修繕方法として、屋上全面を植栽基盤で多い、その上に通路を設ける、
直射日光が当たらないようにプレキャスト板やデッキプレートで境界面
を保護するなどの方法があります。計画段階で、南面の日当たりが良い
場所に植栽部分との境界ができるような配置を避ける方法もあります。
今回のケースはマンションですが、戸建てリフォームで
コンテナなどを設置する場合も同じような現象が起こりますので、注意
が必要です。