スタッフより
昨日の続きになります。
結露が発生した要因として、窓下の縦胴縁が隙間なく施工され
外壁通気層が閉じていて通気が確保できていないのではないかと
推察しました。確認のため、一部のサイディングを剥がしてみました。
すると窓まわりと縦胴縁の間には30mm以上の通気層が確保されており、
施工ミスは見当たりませんでした。これで結露の原因は外壁側ではないことが
分かりました。
東面の結露の状況を把握するため、内装材を撤去しました。断熱材と別張りの
防湿シートは0.1mmぼポリエチレン製で、断熱材はグラスウールです。
防湿シートの外壁側は結露水で全体的に濡れていました。
断熱材も水分をかなり含んでいました。床面付近の断熱材を触ってみますと、
水が滴り落ちるほどです。東面では1階と2回の全面で結露が発生していました。
防湿シートと断熱材を撤去してみると、胴差しは変色していて白い腐朽菌も
発生していました。
改修工事は室内側へ湿気を放湿する方針で進めました。
まず、透湿防水シートと木部の水分を乾燥させたのにち、断熱材を充填しました。
防湿シートに代わるものとして可変透湿気密シートを採用しました。
これは夏場は透湿、冬場は防湿と絶対湿度に応じて透湿抵抗値が変わる
シートです。内装に石膏ボードを張り、壁紙も透湿性のものを選定しました。
これは通常のビニルクロスよりも10倍以上透湿する性能があります。
この仕様にすることで、夏は外壁通気層からの湿気を外へ逃がし、冬は
室内からの湿気の流入を抑え、壁内結露を防ぐので、1年を通して結露リスクを
下げることができます。
明日に続きます。