スタッフより
渋谷区のH様のお宅は、築7年目の木造3階建て戸建て住宅です。
雨漏りがあるというので伺ってみました。調べてみますと、1階
の東側壁面にある2つの開口部に、サッシ上枠に全長シーリングが
施されていました。雨漏りはその裏側のサッシ上枠に大量にみられ
ました。この状況から察すると、サッシの上に位置する目地から雨水が侵入し、
サッシ上枠に流れ落ちてきたため上枠付近の水位が上昇し、サッシ
のつばを超えて室内側に侵入してきたと考えられます。
ここ数年で、窯業系や金属系のサイディング材は急速に普及しました。
しかし、雨漏り対策はまだまだ十分ではなく、問い合わせは
年々増える一方です。サイディングの場合、横目地などから材の
裏側まで雨水が侵入することを前提としています。このため、
雨漏り対策のポイントは、侵入した雨水を速やかにサイディングの
外へ出す工夫をどうするかです。本来、侵入した雨水は、
軸組の外側に張った防水シートに沿って下へ流れ落ち、基礎付近に
設けた水切りの隙間から外部へ排出されます。ところが、途中に
開口部やベランダなど、流れ落ちることを阻害する部材があると
壁の内部に水がたまりやすくなるのです。その結果、防水シートなどの
わずかな欠損部分から室内に雨水が侵入してしまうのでその点が
問題になります。また、最近は水切りを省略した住宅もあり、
雨漏りの観点から疑問を持たずにいられません。