スタッフより
渋谷区のT様のお宅は、築20年の木造住宅です。天窓からの
雨漏りが気になるということなので
伺って原因を調べてみました。水切り部に土、埃が詰まり、雨水が
水切りからあふれ、水が屋根材の表面に流れ出し、釘穴まで水が伝わ
っていました。化粧スレート、アスファルトルーフィングを剥がすと
野地板も浸水していました。登り淀(切妻先端の垂木に、屋根勾配に沿
って取り付ける横板のこと)も劣化が見られました。化粧スレートの
アスファルトルーフィングが波打ったように膨れているのは、屋根材
を施工する前の熱、紫外線による劣化のようです。膨れているところ
の棟側には、あふれた水がたまっていました。そこに釘があると浸水
しやすくなりますね。釘穴よりも棟側の雨水侵入後は、毛細管現象
による浸水と推測できます。また、平部の野地板にも浸水が見られ
ました。総合的にみると、天窓の立ち上がりコーナー
の下葺材の施工不良、捨て水切りの施工不良が主な原因だと思われます。
長年にかけて少しずつ浸水し続けた結果、野地板や垂木までもが腐食してしまいました。
その結果、雨漏り箇所の修繕だけではなく、野地板や、垂木までも交換が必要に
なりました。早めの気づきと対応が要です。
天窓は、外からの視線が気にならない採光法として、急激に
増えてきました。特に都心部で住宅が密集している地域は、天窓の果たす役割は
大きいです。家の中が自然光でパッと明るくなって良いのですが、
雨漏りのトラブルは増え続けています。