スタッフより
昨日のブログの続きになります。
K様のお宅の屋根で、小雨が降った翌日に一部のスレート瓦を
剥がしてみたところ、瓦の裏面に雨水が滞留しているのが分かりました。
滞留部分には留め付け用のくぎが打ってあったので、くぎを伝った
水が防水紙を経由して、室内の雨漏りを引き起こしたのだと考えられます。
小雨が降った際に瓦の裏面に浸入するのだから、大雨が降ると当然
深刻な雨漏りが発生するわけです。
そこで、屋根の改修にとりかかるまえに、縁切りの効果を確認する実験を
しました。瓦の左右の継ぎ目に20mlの水を注入したところ、塗料で
排水経路が塞がれているので、水はスレート裏面に入ったまま出てきません。
しかし、カッターで上下の瓦の重ね目を縁切りすると注入した水が出てきました。
K様の屋根を全面的に葺き替えをした数か月後、同様の実験をしてみました。
縦方面の継ぎ目に注水すると上下の瓦の重ね目から水が排出されることが
確認できました。
今回の件で、屋根を塗り替える際は、縁切りが不可欠なことが再確認されました。
縁切りは大変な作業に思えますが、塗り替えの翌日に作業すれば塗料の
硬化が進んでないのでスムーズなのです。
しかし塗料が完全に硬化した後ですと、スレート1枚縁切りするのでさえ大変な
労力を要します。ですから今回はやむなく全面的な葺き替えとなってしまい
ました。その際に、スレート瓦と野地板を全面交換し、新しいアスファルト
ルーフィングを張って腐朽した垂木を一部補強しました。
また、棟部には新たに換気口を設置して小屋裏換気を促進することで、
結露対策にもなるはずです。