スタッフより
SDGsの取り組みでますます注目が集まる太陽光パネルですが、
設置後はさまざまなトラブルがあり見過ごせないようです。
杉並区のE様が、太陽光パネル設置後から、パネル下の屋根が結露しているように
見えて気になるということで連絡をくださいました。
太陽光パネルを屋根に設置するとその裏側は日射が遮断されます。
その結果、野地板と温度差が生じるため湿潤し、劣化が集中するのです。
こうした劣化を防ぐためには、小屋裏換気量をより多くし、また野地板
の湿気を野地上に排出できるような野地上通気の措置が必要になります。
こういった方法でブチルテープやコーキング材などによる止水方法ではなく、
構造的に留め付け釘ネジからの雨水侵入を防ぐことができるのです。
また、波板の山部を利用して野地上通気も同時に実現することができます。
下葺材としては、透湿ルーフィングを使用します。野地板の湿気を透湿
ルーフィング、波板の山部の通気空間を通して、棟から排出することができるのです。
化粧スレート上に太陽光パネルを設置した場合、日射が当たる部分とパネル下
の温度差は平均して約20℃と大きいです。そのため、日陰・低温となるパネル下
の野地板の湿度が70%を超えるほどの高湿になるのです。一方E様のお宅
で行った施工法(波板工法)では、43%と湿度が低くなり、排湿効果が
認められました。この波板工法を不具合の解決策としてさらに検証
が必要だと思っています。