スタッフより
FIX窓は、デザイン性が高く、大きな窓にすることも可能で、防犯上、
採光上有効で、気密性も保たれエアコンの効率が良くなるなどメリットが多いですが、
換気が出来ない、外気の熱の影響を受けやすいなど、雨仕舞上の問題を抱えます。
世田谷区のT様は、木造戸建て住宅にお住まいです。北側寝室の
FIX窓のからの雨漏りに悩まされているとのことでした。見てみると、サッシには排水溝がなく、
出窓の天板に水があふれていました。
その部屋には、エアコン用と思われる100φのスリーブ穴が外壁に面して1つあるだけでした。
廊下へ出るドアには、ガラリやアンダーカット(換気経路となる
開口部の通気口)がないため、気密性が高くほとんど換気されていない
状態でした。そこで、弊社は、寝室のスリーブ穴を風量調節機能の
ついたレジスター(空気調和用・換気用の吹き出し口の1つ。ダン
パーが付いており、空気量の調整をすることができます) に切り替え、
廊下への扉にアンダーカットを設けることで、寝室の給気と排気の
通風路を確保しました。また、浴室の換気扇に除湿運転コントローラー
を取り付けて、寝室の空気を浴室から抜けるようにしました。
最近では、FIX窓のサッシ枠も排水溝がついた製品が主流です。
しかしまだそうした製品でない場合も依然としてあります。排水溝
付きのサッシに取り換えることも一案ですが、湿気の多い空気その
ものは変わらないため、換気対策の方が有効だと考えました。
FIX窓にまつわる結露水のトラブルは多いです。出窓の天板
が反ってしまうケースもあります。こうした場合たいていは、居住者
のメンテナンス不足、として住宅施工会社は保証の対象外にしてしまう
ことがほとんどです。また、結露受けや排水溝の付いた製品でも
取り付け時に溝にビス穴をあけてしまい、溝に流れ込んだ結露水が
窓枠や壁体内に流れ込み、被害を大きくしてしまうこともありますので、
注意が必要です。