スタッフより
杉並区のK様は、築2年の戸建て住宅にお住まいです。屋根は
ガルバリウム鋼板(溶融アルミ亜鉛メッキ鋼板)を用いた片流れ屋根です。
軒の出が小さい、いわゆる軒ゼロ住宅で縦ハゼぶきで納めていました。
K様によれば、夏の雨風が強い時に、天井から落ちた柱を伝って床に
広がったそうです。住宅を建てた工務店が外観を点検したところ、
特に異常はなく、雨漏りではなく結露だと、判断されたそうです。
納得できないK様は、工務店の2階天井の解体をお願いしました。
この住宅は屋根断熱を採用しており、垂木間に硬質発泡系断熱材を充填しています。
断熱材と野地板の間に通気スペーサーを入れ、通気を確保していました。
解体調査の結果、通気スペーサーに棟側から浸入したとみられる雨染みが
残っていました。雨漏りに違いないと判断したK様は第三者の立場である
弊社に依頼をしてきました。現地を拝見したところ、雨漏りの発生場所が
片流れ屋根の棟側に近い部屋だったことから、棟付近から雨水が浸入した
可能性が高いと判断しました。
早速、棟付近の散水調査を実施してみました。調査当日はおよそ風速6m/秒
の風が吹いていましたが、棟の破風板に散水したところ、風の影響で
水滴が壁面から屋根面に巻き上げられました。
防風時にはもっと強い風が吹くので、同様の現象が起こることが想定されました。
つまり強風時には下から巻き上げられた雨水が、屋根と壁の取り合い部から
浸入するリスクが高まると予想されます。
明日に続きます。