スタッフより
あるご縁で杉並区のH様の所有の建物の改修工事を請けることに
なりました。その建物は鉄骨造3階建て、築25年で改修工事履歴
としては築15年次に1回あるそうです。この建物は、屋上にアクセス
する階段やはしごが無いので、足場を架けて確認することになりました。
屋上に上がってみると、既存のウレタン防水層に多数の浮きや膨れが
発生していました。また、脱気筒も設置されておらず、伸縮目地も撤去していないまま
ウレタン防水施工されていました。
膨れて浮いているウレタン塗膜の一部を剥がしてみたところ、
押さえコンクリートが確認できました。押さえコンクリートが施工されているということは、
その下に防水層があるということです。押さえコンクリートは、その下にある
防水層を保護するためのものだからです。
押さえコンクリートには「伸縮目地」あるいは「亀裂誘発目地」という、
建物のウド期でコンクリートに亀裂が発生しないようあらかじめ意図的に
作った目地があります。既存の防部移送と押さえコンクリートとの間には雨水が
滞留していて、緒さえコンクリートそのものも水分を含んでいます。
このように多量の水分を含んだコンクリートの上にウレタン塗膜防水を
施工すれば、ウレタン塗膜の二で水分を閉じ込めることになってしまいます。
ウレタン塗膜で蓋をされた屋上が、太陽光に照らされて熱を帯びると
コンクリートの温度が上昇します。温度が上昇すると滞留水やコンクリート内
に含まれる水分は水蒸気となって膨張します。
防水改修工事をする前であれば、湿気や水蒸気はコンクリートの表面から
放出していたはずですが、蓋をされて逃げ場がなくなり、蓋であるウレタン塗膜を
押し上げてしまうのです。これがウレタン塗膜防水の膨れの原因でした。
明日に続きます。