スタッフより
杉並区のE様から、室内にカビが生えて困るとの連絡を受けました。
E様のお宅では換気ファンが動いているのに十分な換気が行われて
いないようです。
調べてみますと、居室の排気グリルと熱交換気ユニットをつなぐ
還気ダクトにたるみを発見しました。ダクトを開けると
大量の結露水が流れ落ちてきました。ダクト内に結露水がたまって
いたので、換気風量が低下していたのです。
ダクト内部で結露が発生した原因は、断熱していないビルトイン
ガレージの天井裏に、無断熱でダクトを設置していた点にありました。
還気ダクトには室内から排出した高温多湿の空気が通ります。
断熱層の外側にダクトがあると冷やされて結露しやすくなるのです。
断熱層の外側に設置するダクトは、第三種換気設備でも断熱するのが
鉄板です。ところが、断熱ダクトを使用していた築11年の住宅で
ダクト内に結露が発生した現場もありました。
その現場を調べたところ、天井の断熱層を貫通しているダクトの
立ち上がり部分に高さ30cmの断熱欠損を発見しました。この部分が
冷えて結露に至ったことが判明しました。
高さ30cmの断熱欠損が生じた理由として天井断熱のセルローズファイバー
が経年で沈下したのではないかと推測されました。 沈下した分だけ
ダクトが露出していました。
こういうケースでは、最初に断熱ダクトを天井の貫通部の端部まで
配管して、その後に天井断熱を施工するのが基本です。そうしておけば
天井断熱材が沈下した場合も結露を防ぐことができます。