渋谷区でトタン屋根の調査をしました。

渋谷区のR様より屋根の調査の依頼がありました。R様の家の
屋根はトタン屋根です。
トタン屋根は古くから屋根材として材料費が安く、
工期が短いことから、広く使われており今もトタン屋根の家は
よく見かけます。
トタン屋根で最初に痛んで劣化しやすい場所は、
「唐草トタン」です。「唐草トタン」というのは、屋根先端
の軒樋(横にはしる雨どい)の場所にあるため、普段の生活では
下から屋根を見上げても、軒樋が邪魔で見えないため、傷み具合
を知ることができません。なので、点検が必要になってくるわけです。

調査してみると案の定、老朽化が進んでいました。唐草の内側に
ある「広小舞」という木部も、湿気によって腐食している場合も
少なくないです。トタン屋根は、瓦屋根やガルバリウム鋼板屋根に比べ、
褪色が早く、錆びやすい、という欠点があります。耐久年数も
おおよそ10年位なので、定期的なメンテナンスが不可欠です。
トタン屋根は基本的に勾配が緩いので、水が溜まりやすく、
基本的に雨漏りしやすいです。なので、トタン屋根の勾配が
気になる場合は、勾配の調整をすることができます。下地材として
木材をトタン屋根の下に組んで、勾配を付けるのです。その際、
下地処理（ケレン作業）をしっかりやります。そうでないと
せっかく塗装したものが剥がれてくるからです。こういう点は
職人の腕が試されるところなので、とても気を遣います。

今回のR様には、損傷部の修復と塗装で工事費を抑えるか、
耐久性の高い屋根に葺き替えるか選んでもらうことになりました。
長い目で見れば、葺き替えた方が安上りですが、住んでおられる方
の状況により、どのやり方がベストなのかは違いますので、
弊社では、無理に高い工事を勧めたりすることはありません。