スタッフより
近年は、毎年梅雨の雨量が増えていて、災害も多く目が離せません。
災害は免れてもこの雨量ですから湿気に悩まれる方も多いと思います。
家屋も長い間湿気にさらされると徐々に傷んできます。
斜面地に立つマンションでも、湿気たまりができやすいケースです。
日当たりの良い南斜面に建つマンションでも、北側は斜面と向き合う
ことになります。建物と斜面に挟まれた空間には、一日中、日が差さない
というケースも少なくありません。しかも、傾斜地を造成する場合は、
切り土にするのが一般的なので、斜面のくぼみに建物を配置していることに
なります。このため、日当たり良好な場所も日陰になり、風通しも悪く
なるので、湿気たまりになります。こうしたマンションの間取りは、
南側にリビングを配置して、斜面のある北側は玄関になりがちです。
風通しが悪い場合には、もともと湿気を生じやすい玄関が、さらに湿気やすい
環境に置かれているのです。断熱材の施工など、より一層の湿気対策を
促す必要があります。
港区のW様は南向きの斜面に建つ築20年のマンションに
お住まいです。北側に位置する玄関のカビにずっと悩まされています。
斜面と建物に挟まれた空間が日が差さず、風通しも悪いので湿気たまりに
なるのです。湿気が多すぎて、外壁にもコケらしきものが見られました。
北側の部屋では、壁面のカビもありました。そこで、改善策として
風量の確保を提案いたしました。具体的には、浴室の換気扇を
換気量の大きなものに交換し、自動運転のコントロールスイッチ設置。
部屋から廊下への風道は、扉のアンダーカットで確保しました。給気口
を清掃して、計画通りの給気量を確保することも併せて行いました。