スタッフより
世田谷区のE様は、鉄筋コンクリート造の築12年のマンションの最上階に住んで
おられます。先日雨漏りがするというので、伺ってまいりました。
屋上へのぼってみると、銅板葺き屋根の雨水がアスファルト防水面
に流れ込む設計になっていました。それでアスファルト防水面の下の
部屋であるE様のお宅に雨漏りが生じたようです。
原因はアスファルト防水層が劣化し、ひび割れやふくれを生じたことに
ありました。防水層を撤去するのが望ましいのですが、防水層の端末が
銅板葺きの屋根の下まで重なる納まりになっているため、銅板も撤去
しなければなりません。銅板は屋根の流れ方向に葺いているので、
すべて撤去することになってしまい、それではコストがかかりすぎて
マンションの理事会の承認は得られないということでした。
そこで、既存パラペット笠木と台木を撤去した後、既存防水層の破損部やふくれを
補修し、アスファルト防水層を2層増し張りをしてトップコートを塗布、
屋根は話の防水層端部をシーリングとアルミ押さえ金物で納めて立ち上がりに
アルミ押さえを取り付ける、そして笠木と台木を取り付ける、
という代替案を検討することになりました。
銅板の下の立ち上がりは5cm程度しかなく、押さえモルタルのため強度も十分でありません。
銅板の耐用年数はアスファルトルーフィングに比べて長いので、マンション
のこの手の問題は改修のたびに浮上するケースが増えると思われます。