スタッフより
世田谷区のU様からバルコニーの雨漏りがあるとの連絡を頂きました。
雨漏りといえば屋根から、という考えは過去のものです。
近年は住宅の雨漏り事故の多くは外壁やバルコニー周辺になります。
外壁やバルコニー周辺で雨漏り事故の多くが発生しているのは、
納まりの複雑さが主な原因になっています。
特に取り合い部では、建材同士の相性による、シーリング材の接着
不良や接合部の施工不良などが生じやすいです。また、こうした部位
では、様々な資材が使われ、複数の施工業者が関係します。
そのため、納まりと同様に施工管理もふくざつになり、結果、
施工不良を原因とした事故が起こりやすくなります。
バルコニーの笠木周辺や外壁との取り合い部、サッシと外壁の取り合い部、
設備配管や通信回線などを引き込む際に生じる外壁貫通部などが、
雨漏りの主なウィークポイントになります。特に注意深い施工管理が
必要になります。
一方、バルコニーや外壁にくらべ、事故発生頻度は低いとされる屋根
でも当然、雨漏り事故は発生しています。しかし、屋根の場合、
防水上の注意が向かいやすく、またバルコニーや外壁に比べて納まりが
単純なため、施工不良が生じにくいです。
それでも東北地方や北海道に多く普及している落雪対策のための
逆勾配屋根や都市部に多い軒セロ屋根の場合は注意が必要です。
住宅瑕疵保険会社などの調査では、屋根周辺で起こる雨漏り事故の多くは、
こうした屋根形状の住宅で起こっていると言われます。
通常の屋根と比べ雨漏りリスクが高いとされる
屋根形状を採用する場合には、バルコニーや外壁同等の施工管理体制
が必要になります。住宅会社にとって致命的な事故となりかねない、雨漏り事故を
防ぐためにも、確かな知識と注意不快施工管理で雨漏りゼロを目指した住宅づくり
が望まれています。