スタッフより
世田谷区のお寺さんに依頼され、屋外部分の屋根の増築を
行いました。
まず、寺というえば「瓦」なのですが、「瓦」ですと
昨今の異常気象による暴風雨の際に気になりますし、
重量があるので、柱も太くしなければなりません。
軽量で寺らしく造作することはできないかと、施主のK様と話し合った
結果、銅を採用することにしました。
銅の素材は、安土桃山時代より神社仏閣で使用されており、屋根だけでなく
錺金物など細かな部位でも使われています。
同素材は、耐食性が良く、加工もしやすいです。
もちろん本瓦に比べてコストダウンになります。
曲線を作り出しやすいなど細かい加工も可能なので神社仏閣の屋根に
最適と言えるでしょう。
また、経年によって色が変化します。
赤褐色→褐色→暗褐色→黒褐色→緑青色
とどの色も趣があります。
世田谷美術館の屋根も銅製ですが、緑青色がとても美しいです。
また、お寺の建造物ですと、雨樋を省略する場合が
よくあるのですが、雨仕舞の観点から言うと、雨樋はあったほうが
絶対良いです。今回の場合は、「寺」ということもあり、意匠的に
もそれらしさを追求いたしました。
すべてがオリジナルですとコストもかかってしまいますので、
既製品+一部オリジナルということで進めました。
雨樋ももちろん銅製です。紋章などの複雑なデザインも銅板の
柔らかさゆえに細部まで表現が可能になります。