スタッフより
昨日の続きです。
調査結果を踏まえ、結露の防止のためにU様の住宅に対して
3つの対策を講じました。
(1)屋根断熱を天井断熱に変更する
(2)4つの済棟に換気設備を取り付けて排気量を増やす
(3)鼻隠しに給気部材を新設して給気量を増やす
U様の例だけでなく、天井断熱ではない、屋根断熱を採用する例が
増えているように思います。特にグラスウールによる屋根断熱では、
屋根に袋入りの断熱材をタッカーで留めるだけの施工が多いです。
梁や垂木が交錯し、複雑な形状の場所に張り込む際は、断熱材同士の
間に隙間が生まれやすいのです。気密性を保つのは至難の業で、
成功例はほとんど見られないです。
さらに構造上、通気の確保が難しい寄棟屋根という条件が重なれば
屋根換気はますます困難になります。
見えない小屋裏でじわじわと進行する結露は体に例えると「癌」の
ようなものです。最終段階で野地板が腐ります。屋根材を留めるくぎが
利かなくなって瓦が落ちたり飛んだりするので、非常に怖いです。
改めて、設計者の方には屋根断熱ではなく、天井断熱を選択して
頂きたい、と思います。